世の中には「まつ毛が伸びる薬」が流通していますが、市販薬で購入する薬が無いことはご存知ですか?
読者の多くは「そんなのあるわけないでしょ!!」とお思いになるかもしれませんが、一部の方は「ミクロゲンパスタでしょ?」ってなるかもしれません。
そう、このミクロゲンパスタという軟膏剤が「まつ毛が伸びる薬」だと思い込んでいる方が非常に多いんです。
薬剤師としてどこかのタイミングで注意喚起しなくてはいけないな、と常々思っていましたので今回の記事で「まつ毛が伸びる薬」について説明をしようと思います。
まつ毛が伸びる医薬品
そもそもなんですが、”毛生え薬”とは一線を画すものとなります。
なぜかというと、まつ毛を伸ばす(育毛させる)させるために必要なモノは男性ホルモン(医療用医薬品の場合は異なります)です。しかし、皆さんご存知の通り「男性ホルモンが多い人は毛髪が生えなくなる」ということで男性ホルモンが多くなれば逆効果です。
なので、リアップでまつ毛が伸びるかというと伸びませんので絶対に試したりしないでくださいね!
では、まつ毛を伸ばす(育毛させる)させるために必要な男性ホルモン(テストステロン等)について説明していきます。
流通しているまつ毛用の薬
まず、まつ毛の育毛効果のある医薬品は「医療用」しかありません。市販薬では流通していないのが現状です。
医療用の医薬品は「グラッシュビスタ」が有名ですが、「ルミガン」にはまつ毛の育毛という薬効がありませんのでご注意下さい。
「ルミガン」は元々緑内障という疾患の治療薬で、その副作用としてまつ毛が伸びたということから使用されていることがあるようです。
とはいえ、「グラッシュビスタ」も「ルミガン」も成分は”ビマトプロスト0.03%”なので、まつ毛の育毛に使用したいのであれば必ず「グラッシュビスタ」を使用するようにしてください。
ミクロゲンパスタってなんの薬?
「ミクロゲンパスタ」という軟膏剤を聞いたことがあるでしょうか?
この薬は薬局やドラッグストアで販売されている男性ホルモンの軟膏で「第1類医薬品」です。
では、簡単にミクロゲンパスタの解説をしていきます。
効能 : 男女両性の無毛症、貧毛症、(顔面、胸部、四肢、腋下、恥部の発毛促進と育毛)
成分・分量 : 本剤1g中、メチルテストステロン10mg、プロピオン酸テストステロン5mgを含有
用法・用量 : 1日1〜2回、1回0.1g〜0.3gを目的の部分に塗擦する。
「してはいけないこと」
2.次の部位には使用しないこと
(1)目や目の周囲、粘膜(口腔、鼻腔等)
(2)頭髪、まつ毛
という使用方法になっています。
ミクロゲンパスタは「グラッシュビスタ」とは成分が異なり、男性ホルモン(テストステロン)を主成分とした医薬品です。
頭髪に使ってはいけないのは、逆に育毛が妨げられてしまうからですね。
まつ毛に使用してはいけないというのは、「目に対する刺激」が理由です。
眉毛の使用は可能となっています。
まつ毛を長くしたいと思ったら?
医薬品や美容液などをお薦めしているサイトが多々あります。
自己輸入によって薬を購入すれば安くつきますし、美容液ならば副作用などの心配は少なくて済みます。
しかしながら、副作用というのはつきもので自分で確認をしながら使用するのは非常に怖いものです。
中にはグラッシュビスタを使用すること自体を良しとしない医師がいることも事実です。
もしも「まつ毛が短くて悩んでいる」という方がいましたら、美容系のクリニック(美容外科や美容皮膚科等)へ受診することをお薦めします。
もしかすると”まつ毛貧毛症”のような疾患が隠れているかもしれませんので、まつ毛が長く、太くならない原因を確認することから始めてくださいね。
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