風邪の発熱に解熱薬を飲むって自爆行為でしょ?

風邪をひいている女性の画像

「風邪の時に熱が出たから薬で体温を下げる」
これって当たり前のようで「いや違う!」という反論もあったり、なかなか難しい問題なんですよね。

結局は自己判断に委ねられてしまうんですが、その考え方のベースとなっていることについて紹介していきます。

筆者は薬剤師ですので是非参考にしていただいて、最終的には効果的な薬の使い方を読者の皆さんが出来るようになって、より健康的な生活を送れるようになれば幸いです。

あ、あくまでも市販薬でのお話しですので、病院やクリニックで受信した場合は医師の指示に従ってくださいね!

風邪で熱が上がる理由を知っておこう!

何はともあれ、一番大切なのは「なんで風邪で熱が上がるのか?」ということです。
だからその熱を下げていいのか悪いのかが話題にのぼるわけですよね。

そもそも風邪はウイルス性の上気道炎と言われています。細菌性もありますが風邪の原因のほとんどがウイルスと言われていますので、覚えるのであれば”ウイルス性”と覚えておきましょう。

なぜこんなことを書いたのかというと、世の中には風邪の原因となるウイルスを殺す薬(抗ウイルス薬)が無いからです。
細菌を殺す薬は有名な”抗生物質”というものはありますが。

なので、薬で風邪を治すといっても症状を抑えるだけの”対症療法”でしかないんですね。
そこで、風邪を治すには人間の持つ生体防御反応や自然治癒力に頼るしかないわけです。

では、生体防御反応や自然治癒力にはどのようなものがあるのか見てみましょう。

風邪の原因ウイルスから体を守る!

生体防御と聞くとなんだか難しそうに聞こえますが、誰もが知っているごく一般的な生体の変化なんです。
風邪のウイルスが体内に侵入する場所は、鼻や咽喉の粘膜です。
ここから入ってしまったウイルスを体外に出すために行われる身体の機能が、「鼻水」「くしゃみ」「咳」「たん」といったものなんですね。

さらに「熱」症状については体内に侵入したウイルスを死滅させるために体が免疫で抵抗するときに発せられるものです。
一定以上(個人差あり、一般的に38.5℃や39℃と言われています)に体温が上昇することでウイルスを死滅させますので、これを自然治癒力と言います。

なので、こういった症状は薬で止めてしまうと本当は良くありません。
ですが、体に対して負担が大きくなるようなつらい症状の場合は、体力の減少から自己治癒力の低下を引き起こしてしまう可能性があります。

そういった場合に服用するのが風邪薬(総合感冒薬)なんですね!

風邪薬の有効な使用方法

あくまでも自己判断で使用する市販薬についての考え方ですので、病院に掛かる際には参考にしないでください。

風邪の治し方の基本は養生です。
1.身体を休める
2.栄養を摂る
3.温める(寒い時)
4.乾燥を防ぐ

この4つを取り入れれば風邪は自然治癒するものなんですが、仕事や家事などがあって実行出来る人は多くありません。
すると、風邪をこじらせてしまい「風邪の11症状(のどの痛み、せき、発熱、鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、たん、頭痛、悪寒、関節の痛み、筋肉の痛み)」がよりひどくなってしまいます。
体力を失い、免疫力が低下して風邪が長引くどころかその他病原菌の2次感染を引き起こし、「気管支炎」や「肺炎」を併発しかねません。

そこで有効な方法が「風邪薬を服用する」ということです。
「熱を下げたら風邪が治らない」なんていうよりも「こじらせてもっと重症疾患を併発する」方がダメに決まっています。

当然、高熱の場合にはインフルエンザ等の疑いがあるので病院に行くことをお薦めしますが、その他の症状の場合の「風邪薬を飲むタイミング」を記載しましょう。

”症状がツラいと感じたとき”

です。

薬なんか飲まなくても全然平気だ!という人は養生によって風邪を治した方が良いに決まっています。
薬には副作用もありますし体にとっての「異物」ですので。

ただし、風邪の原因ウイルスを死滅させるのは自身が持つ自然治癒力です。
養生を忘れずに風邪薬を服用してくださいね。

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