ダイエット関連のサイトを見ていて「あれっ?」と思うことが良くあります。別にdisってるわけではありませんが…
専門家でない人が書いているというのと、他のブログの受け売りが多いのが原因でしょうか・・・。
生体や機能形態学的にちょっと外れているかな?という内容のものが多い気がしますね。
ということで、今回は薬剤師という専門家の視点から基礎代謝に関して解説です。
基礎代謝の簡単解説
基礎代謝って色々なサイトでいろいろな解説があって結局「意味わかんない」という人が多いんじゃないかと思います。
そこで、”教科書的でない”んですが分かりやすく説明すると、
「基礎代謝とは生きているだけで勝手に消費されていくエネルギー」
のことを指します。
心臓が動けば心筋でエネルギーが消費されますし、血液が流れれば血管平滑筋でエネルギーが消費されています。呼吸も然り。こうして、私たち人間の体では、最低限必要なエネルギーというものがあります。これが基礎代謝。ちなみにこの基礎代謝は自律神経系での筋運動になりますので、自分の意思で上げたり下げたりなんてできません。
基礎代謝は知らず知らずのうちにエネルギー消費をしているという、ダイエットにとっては天使な機能ということなんですね。
だからこそ「基礎代謝分で消費されるエネルギーを多くして楽して痩せよう」という話が広がるわけです。
基礎代謝の計算
では、人には基礎代謝量ってどれくらいあるのでしょうか?
まずはハリスベネディクト式で計算してみましょう。
【男】66.5+(体重kg×13.8)+(身長cm×5.0)-(年齢×6.8)
【女】665+(体重kg×9.6)+(身長cm×1.9)-(年齢×4.7)
まあ一般的な女性で1200~1400kcalって感じですね。
これだけのエネルギーが1日の中で消費されるんだから、元々体重を維持するのには思った以上に基礎代謝に頼っているのがわかりますね。
基礎代謝を体感しよう!
ここで、問題になるのが「今の基礎代謝ってどれくらいなんだろう?」です。
よくよくネット上で見かけますが「基礎代謝が低下している」って言われても自分が本当にそうなのか分からないですよね。
なので、簡単な基礎代謝が低い人の見分け方をお伝えしようと思います。※100%ではありませんのでご了承ください。
「平熱が36.5-37.0℃」あれば基礎代謝は正常だと思って下さい。
基礎代謝が低い人=熱産生能力が低い人=体温が低い人です。
平熱の低い人が「体温をあげる=基礎代謝が上がる」ということなんです。※基礎代謝が低下している人が正常に戻るという意味。
なぜなら、「生体維持の為に必要な心拍・呼吸などの生理活動(基礎代謝)の際に、熱が産生される」から。※クエン酸回路(TCAサイクル)等でのエネルギー産生時に熱を産生します。
基礎代謝が落ちている=生体内活動が低下している、ということですね。
注意事項:たまに体温を上げるために基礎代謝が使われるという表現がありますが、それは誤った考え方です。生命維持のための生体内活動(基礎代謝)によって熱が産生されます。
基礎代謝が低下している状態
では、基礎代謝が低い人の体ってどういう状況なのかを考えてみましょう。
「ホメオスタシス」って聞いたことがありますか?「体内の恒常性」を意味する言葉です。
要するに、エネルギーが1日1000kcalしか体の中に入ってこなければ、基礎代謝を低下させることでエネルギー消費を抑える体になります。
運動をしない人は、体が「エネルギー消費をしなくてもいいんだ!」と勘違いしてエネルギーを使わなくなります。
簡単に言えば、「少食、運動不足は省エネ(エネルギーを貯め込みやすい)の体になる(基礎代謝が落ちる)」ということです。
じゃあ、ダイエットに過食が良いのかといえば、そうではありません。基礎代謝量の最大値が決まっているので、カロリーを取りすぎたら当然基礎代謝で消費できませんよね!
ということで、基礎代謝についての考え方分かっていただけましたでしょうか?
「基礎代謝をあげてもダイエットにならない!」とか書いてあるサイトもあるけど、
基礎代謝が低下している人は、「エネルギー消費を損している状態」なわけなんで、基礎代謝が元に戻れば間違いなく痩せますよ。
ですので、平熱をあげることを目標に、生活スタイルを直してみてはいかがでしょう?
「基礎代謝が上がった!!」って体感できますよ。
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