IT企業のDeNAが運営する医療情報キュレーションサイトWelq(ウェルク)の問題って、よくよく考えると根深い問題なんですよね。
ウェルクのなにがダメだったのか?については”DeNA「WELQ(ウェルク)」休止…まとめサイトの問題点と背景は(読売オンライン)”に分かりやすく書いてありますので、時間があるときに見ていただければと思います。
キュレーションサイトの問題点
ここでは簡単にウェルクの問題点を挙げてみます。
- 記事や写真の転用・盗用
- 不正確な医療記事
ということです。これって医薬品医療機器等法、著作権法違反を疑われているわけですから大きな問題に違いないですよね。
しかもDeNAという会社は東証一部上場企業であり、名実ともにIT業界を代表する会社がこのような問題を起こしてしまったということも問題視されています。
特に医療記事っていうのは困っている人が情報を求めてサイト検索するのに、表示されるサイトがウェルクのようなサイトであった場合「健康被害」も予想されるわけなんで相当奥深い問題かと思っています。
さらに、同じくDeNAが運営していたキュレーションサイトのMERY(現在閉鎖中)の美容記事についても、11月27日に8769本あったものが12月2日には483本にまで減っていて、実に9割以上の記事が非公開になっていたということです。
(参考:ねとらぼ2016年12月2日)
ちなみに化粧品も医薬品医療機器等法で規制されているものなので、医薬品と括りは同じってことですね。
例えば化粧品(サイトも含む)に「シミが消える」なんて書いてあったら、一発アウト。医薬品医療機器等法違反になります。
そうやって考えると読者の皆さんにもいかに「違法サイト」が多いのか分かって頂けるんじゃないでしょうか。
こうしてWelq(ウェルク)を皮切りに様々なキュレーションサイトの休止が相次ぎました。
- リクルートホールディングスの「ギャザリー」
- Yahoo!の「TRILL(トリル)」
- サイバーエージェントの「Spotlight(スポットライト)」等
代表的なキュレーションサイトを挙げましたが、大小含めてほぼすべてのサイトで記事の削除やサイトの休止といった対応をしたのではないでしょうか?
これらの健康・医療・美容以外のカテゴリーにまで及んだ理由は、記事や写真の転用・盗用と言われています。著作権法違反の疑いということです。
信頼ある情報を見極める
次々とWeb上から情報サイトが消えているという現在ですが、それを利用していた人たちはこれからどうすれば良いのか?ってことが一番の問題です。
今までは「会社がしっかりしているから」とか「検索したら一番上に来たから」とかの理由で情報を信頼し、自分で内容を判断することをしていなかった方が多いんじゃないかと思います。
結局はそれが「誤った情報の入手」につながってしまっていたということにつながるんですね。
では、どうすればいいのか。
医療情報サイトに関して言えば、まずは筆者の専門分野・キャリアは当然のことながら記事の内容についてエビデンスに基づいた内容になっているのか?ということを判断基準にすべきです。
参考リンクや参考文献が無いものは即飛ばしです。
医師も薬剤師も得手不得手がある、というのは一般的な話ですので「医師だから大丈夫」など安易に捉えない方がいいでしょう。
ちなみに「医師監修」というのは今後なくなっていくサイトだと思っています(私見)。
美容についても美容の専門家が記事を書いているのか、エビデンスに基づいているのかをしっかりと判断しなければいけません。
※「んん?いい女計画は薬剤師が運営してるだろ!!」と思った方、安心してください!家の中に十余年のキャリアを持つビューティアドバイザーが居ますので・・・。この”いい女計画”は「薬剤師×ビューティアドバイザー」でお送りしています。執筆はKomachi(♂)担当ですが。
100%の情報は無いと思ってください
「専門家がエビデンスに基づいた情報」
と聞いてしまうと、”間違いない!”って思ってしまうかもしれませんが”100%正しい”なんてことはありませんので、この点だけは勘違いしないでくださいね。
例えば薬学の学会に行ったって演目の賛否両論なんて必ずあるものですし、薬だって”飲めば必ず効く”という薬はありません。
正しいと言われていることでさえも、「自分には当てはまらない」ということが多々存在するのが医療の世界です。
だから医療情報は「適当」に量産されちゃったんですかね。
でも間違った情報は体に悪影響を与えるかもしれない、ということは簡単に分かるはずなんですけど・・・。
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